私は、脊髄性筋萎縮症(SMA)Ⅰ型という進行性の難病の当事者です。
生まれたときから全身の筋力が弱く、電動車いすと人工呼吸器を使って生活しています。
身の回りのことはすべて介助が必要だけれど、
今は周りの方たちの力を借りながら、一般企業で働いています。
ずっと特別支援学校で過ごしてきた私にとって、大学は初めての“ふつう”の社会。
特別支援学校出身なのも、車椅子に乗っているのも私だけ。
「私って、これからもどこにいても“特別な存在”なんだな…」
そんな感覚が、いつの間にか自分の中に根付いていました。
就職活動が始まると、世の中の「当たり前」から
自分がどれだけ外れているのかを、さらに痛感しました。
“毎日出社して働く”
ただそれだけのことが、私には叶わないように思えて。
気づけば、「どこなら働けるか」ばかりを考えるようになっていたんです。
そんな時、たまたま目にしたのが
cocoeの新聞記事でした。
障がい児のお母さんが、自分の経験から作った育児ノート。
それを知ったとき、私は初めて思いました。
「マイノリティであることが、“強み”になるんだ」と。
それまで“弱み”にしか思えなかった自分の経験も、
もしかしたら、誰かの役に立てるかもしれない。
そう思わせてくれたのが、cocoeでした。
そして今、そんな私もcocoeの一員になりました。
自分の経験を、誰かの笑顔のために使うことがこんなに嬉しいことなんだと、毎日実感しています。
当事者だからこその視点を大切にしながら、
「選ぶのが楽しい」「こんなものほしかった」
そんな気持ちになれる商品を届けていきたいと思っています。
「みんなと違う」と感じていても、
きっとひとりじゃない。
その証拠に、ここにもひとりいます。
毎日、笑ったり、泣いたり、迷ったりしながら、生きています。
cocoeが、そんな日々に寄り添える存在であれたら
心から、そう願っています。