01きっかけ
2015年、第三子となる息子を妊娠7か月、700gの早産で出産しました。
成長するにつれて、少しずつ周りの子どもたちとの違いが見えるようになり、私にとって母子手帳や育児ノートは辛い存在になっていきました。
母子手帳に記された成長の目安。育児ノートにあらかじめ書かれた、お食い初めやお宮参りなどの行事。
息子には当てはまらないことが多く、ページを開くたびに「できないこと」を突きつけられているように感じました。
でも、息子にも確かに成長はありました。
体重が少しずつ増えたこと。呼吸の状態が良くなったこと。笑顔を見せてくれるようになったこと。
一般的な「できた」に当てはまらなくても、それは息子にとって大切な成長でした。
誰とも比べず、辛かったことも、嬉しかったことも、小さな成長も、大きな成長も、その子の歩みとして残していけるノートをつくりたい。
その想いが、cocoeノートの原点です。
02誰とも比べないノートへ
「できないこと」を感じるノートにはしたくない。
そのために大切にしたのが、最初から「普通」や「標準」を決めないことでした。
たとえば、身長や体重の成長グラフは、縦軸と横軸の数字をあえて空欄に。
700gで生まれた息子のように、一般的な成長グラフには当てはまらないお子さまでも、自分のスタート地点から成長を記録できるようにしました。
思い出を記録するページにも、「お食い初め」「七五三」といった決められた行事名は入れていません。
さらに、必要な記録は一人ひとり違うからこそ、ページを自由に選び、組み合わせられるバインダー式にしました。
その子をノートに合わせるのではなく、ノートの方をその子に合わせる。
誰とも比べることなく、その子自身の歩みを残せる一冊を目指しました。
03想いを、文字にのせて
cocoeノートの開発には、約1年をかけました。
障がいの有無にかかわらず約100人のお母さんたちに実際に使ってもらい、声を聞きながら内容を検討。さらに、現役の新生児科医にも監修を依頼し、必要な情報や項目を一つひとつ確認しながら形にしていきました。
内容だけでなく、書きやすい紙を選び、記入欄の幅やスペースも何度もテストしました。実際の使いやすさを確かめながら、ブラッシュアップを重ねていきました。
バインダーには、手に取ったときに少しでも明るい気持ちになってほしいという想いから、ビタミンカラーの黄色を選びました。
そして、デジタルで記録を残せる時代だからこそ、あえて大切にしたのが「手で書いて残す」ことです。
私たちは、文字もその人の「個性」だと思っています。
字体を見れば、誰が書いたのかがわかる。そこには記録だけでなく、書いた人の想いや、そのときの気持ちも一緒に残っていきます。
その日の想いや願いを文字にのせて、その子の歩みを綴ってほしい。
そんな想いまで込めて、cocoeノートをつくりました。
04積み重ねた記録を、未来へ
子どもが成長していくにつれて、関わってくれる人も少しずつ増え、変わっていきます。
家族だけでなく、学校や福祉、医療など、たくさんの人に支えられながら暮らしていくからこそ、その子に必要なことを、お母さんだけが知っている状態にはしたくありませんでした。
医療機器のこと、服薬のこと、利用している福祉サービス、これまでの病気やリハビリのこと。
日々の記録を積み重ねておくことで、関わる人が変わっても、その子のことを知り、理解してもらうための手がかりになります。
そしてそこには必要な情報だけではなく、その子がこれまで頑張ってきたことや成長してきた過程も残っていく。
記録することはその子の今を残すだけでなく、その子のこれからを支えることにもつながる。
cocoeノートが、その子と、これから出会う誰かをつなぐ一冊になればと願っています。
開 発 デ ー タ